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KAILプロジェクト

1.KAILプロジェクトとは

「碧樹館プログラム」の柱となる学習手法です。毎回のセッションを通じて培われた、社会や経済を取り巻く環境へのより深い理解と未来への洞察をベースに、個々の塾生は課題意識を育みます。そして、塾生は、自らの所属する企業・団体が直面する戦略的課題を設定の上深掘りし、全社的な視点に立って、価値創造、更には企業変革という観点から処方箋を描くと共に、各自の行動計画を作成します。
 

KAILプロジェクトの進め方

塾生は、パートナー(現役のコンサルタントなどのプロフェッショナル)1名に対して塾生3名の割合で組成されるチームに所属して、パートナーの指導を受けつつ、互いに切磋琢磨しながら熱心にKAILプロジェクトを進めていきます。また、企業・団体の戦略的な課題により密着するため、「メンター」と呼ばれる塾生の上司(多くは役員クラス)をアサインすることも、多く行われています。一定レベル以上のKAILプロジェクトの成果を挙げることが、KAILの卒塾要件になっています。
 

3つの成功の鍵(KFS:Key Factors for Success)

 
 

KAILプロジェクトプロセス

※塾生は、会合と会合の間にも、電話・メールで、担当パートナーと密接に連絡を取り、各自のプロジェクトを改善・肉付けしていきます。
※仮説と検証の繰り返しにより、自らの固有解を導く力を鍛えます。
 
 
 

2.担当パートナーより

KAILプロジェクトはビジネスの「型」、ビジネスロジック(事業論理)を学ぶ場

井上 潤吾氏 (ボストンコンサルティンググループ パートナー&マネージング・ディレクター)
井上潤吾氏 [㈱ボストンコンサルティンググループ]
 
私のKAILプロジェクトで学べる一番のことは、ビジネスの「型」を覚えるということです。具体的には塾生が各自の問題意識を精錬し、解決の切り口を発見していく過程において、どうやって考えるのか、どのように課題をとらえて構造化していくのか、解決に向けてどうすればいいのか、そのインパクトはどれくらいなのかを学びます。それはゼミ形式でのミーティングの他、電話やメールのやりとりも含め、私との接触時間を増やし、OJTに近い形で問い続け、学んでもらっています。塾生には、ぜひ「考えること」が苦しいことであり、かつ、楽しいことでもあると思えるように、成長に向けて一皮剥けてほしいと願っています。育った企業の環境、形態にもよりますが、往々にして人は井の中の蛙になり、違う業種や世界が見えなくなるものです。KAILプロジェクトのパートナーとして、その壁を横から壊す、そして、他社、他業種、他国はこうしている、あるいは新しい時代はこうあるべきだと、時間、空間を超えて新しい視点を提供し、刺激を与えるのが私の役割だと思っています。私自身は、九州福岡で生まれ育ちました。心のよりどころとして、強い思い入れを持っています。今、仕事は東京が中心ですが、故郷九州の成長・発展のために、私も一肌脱ぎたいと考え、KAILプロジェクトのパートナーに志願しました。塾生の皆さんの成長に寄与できたら幸いです。
 
 
 

3.塾生の声・メンターの声

13期生
坂田 祐司(エコー電子工業株式会社)
執行役員(東京支社)
 
プロジェクトでは、「組織改革 社員が働きがいを感じる組織作り」をテーマとしました。海外の投資家も、投資先企業に「従業員の生活水準向上」を求めており、企業が従業員の能力開発や生活水準の向上に積極的に投資しているかを注視するようになってきています。従業員が幸せに働いているかどうかが、企業の成長を左右するようになってきたからだと思います。取り組みでは、部門の組織的な課題(働きがいを阻害する要因)が“コミュニケーション”にあることを真因として特定し、施策をまとめていきました。その過程において、課題の真因をファクト分析(様々な事象や事柄)により特定し、さらに社内アンケートとそのフィードバックを繰り返し行っていきました。プロジェクトを通して、経営は、「戦略のマネジメント」「オペレーションのマネジメント」「コミュニケーションのマネジント」の全てが必要であることを学びました。これまで「戦略のマネジメント」ばかりに注力していましたが、「コミュニケーション」の重要性を理解できたこと、それをうけて具体的な「オペレーションのマネジメント」に踏み込むことができていることが非常に大きいと感じています。今後も、現場との対話(共有とフィードバック)を繰り返し行いながら実行していきたいと考えています。
 
メンター
濱武 康司(エコー電子工業株式会社)
代表取締役社長
 
坂田氏は平成23年7月の東京支店開設以来、その責任者として獅子奮迅の働きで順調な成長を支えてきた。しかしながら、情報通信サービス産業業界の凄まじい技術革新のスピードと事業規模拡大に伴う組織と人員の成長との間にギャップを抱えることになった。若い社員の多くは、業務に追われ疲弊を感じていた。この一番の課題は事業戦略の立案や推進ばかりに気をとられ、コミュニケーションを疎かにしていたという自己分析であった。それをうけ、「互いに尊重し・結果を認め・一緒に考える関係の質」を高めるべく、忌憚のない意見収集のためのアンケートの実施とそのフィードバック、さらには会議体の見直しなど、KAILで学んだ知識や考え方を遺憾なく発揮し、改革に取り組んでくれている。これにより他の部門にも良い影響が出ており、全社での取組みにも発展している。今後更なる組織の発展と活躍を期待している。
12期生
門田 和義(門田建設株式会社)
代表取締役副社長
 
地方建設業界が未だ景気の低迷から抜け出せない中、当社を時代の変化に対応し成長できる企業へと変革する必要があった。KAIL入塾以前は、社内で改革を目指し行動を起こしても、周りを巻き込めずに成果を出せずに終わってしまうことが多かった。しかし、プロジェクトでリーダーとしての表現力やモチベーションマネジメント、さらに定量的な物の見方、訴え方を教わり自身の目指す方針をプロジェクト化し明確化することができたことで、役員・社員を巻き込んで一丸となって目標に向かう体制を整えることができた。また、プロジェクトを作成する過程において、パートナーや多業種に亘る塾生の仲間と議論を重ねることで、自身の経営者としての理念も確立することができた。今後も社内一丸となって時代に適応した社内風土改革を目指していきたい。
 
メンター
門田 治男(門田建設株式会社)
代表取締役社長
 
建設業界が需要と供給のアンバランスという問題を抱え、当社も経営方法・経営計画を考え直さなければいけない時期にあった。このような中、門田氏は経営健全化のための社内体制改革と社員のモチベーションアップというプロジェクトに挑戦してくれた。当初は漠然として、かつ困難なプロジェクトであるように思えたが、チーム会合を重ねるごとに問題や対策の明確化がなされていき、最終的には具体的で説得力のあるプロジェクトとなった。具体性や説得力が高まったことで社員が一人また一人とプロジェクトの協力者となり、社内の改革を推し進めている。このままこの改革を実現させ、当社を地域でなくてはならない価値のある企業へとまた一歩成長させてくれると信じている。
 KAILで学んだ知識や考え方を社内でも遺憾なく発揮してくれて、他の社員にも良い影響が出ている。今後は社内に留まらず、県や九州ひいてはアジアにまで価値を提供していける人材へと成長していくことを願っている。
11期生
松里 壮秀(西部ガス株式会社)
経理部 財務室マネジャー
 
プロジェクト開始当初は、自分が所属する財務室のメンバーの人材育成をテーマにするつもりだった。担当パートナーから「それは手段であり目的ではない。財務室メンバーを育成してどのような価値を提供するのですか。その価値を提供するターゲットは何ですか。」と問われ、自分の仕事の取り組み方が「手段」にとらわれ「目的」を見失っていることに気付かされた。まず現状を把握し、財務室の提供できる価値は何かを掘り下げた。その過程で、本来財務室がするべき役割が明確化され、するべき手段が見えてきた。「西部ガス・グループ経営の意思決定や目標設定の土台となる価値の高い情報サービスを提供する」ことをテーマとして設定し、その目的を達成するために人材育成、他部署との情報共有・連携、業務スキームの抜本的改革の手段を考案した。KAIL卒塾後の現時点においても実現に向けて遂行中である。メンバー一人ひとりと、「我々のターゲットが誰か、その業務の目的は何か」に立ち返り、財務室が会社にもたらす価値の最大化に向けて実効性の高いプロジェクトに育てていきたい。
メンター
石躍 浩幸(西部ガス株式会社)
経理部 財務室長
 
コーポレート・ガバナンス・コードの策定など、企業は投資家との「対話」がより求められる時代に到来した。グループ経営で判断することが主流の現在、グループ全体を視野に入れた経営の方向性を示すことが必要不可欠である。それを行うためにグループ単位のリアルタイムな情報把握とタイムリーな意思決定を行えるようにすることが当社の課題である。今回松里氏の取り組んだプロジェクトは、経営層がグループ経営の意思決定を行う上でとても有効なものである。財務室のミッションとして取り入れ、より実効性の高いものにするためメンバーとともに実現に向けて取り組んでいる。今回社内だけでなく、松里氏が外部のコンサルタントの客観的な意見を取り入れながら検討をすすめた経験は貴重なものであり、本人だけでなく職場にもいい影響を与えてくれると期待している。
10期生
平山 高久(株式会社ふくや)
営業部 統括マネージャー
 
当社の明太子事業を支えてきたCRM(Customer Relationship Management)システム、九州通販業界でも先陣をきって独自構築を行ったシステムは優位性も大きかったが、今では優位性は感じられない。CRMシステムを「次世代」を支える機能・能力を備えたものとし、絶えず変わる社会環境に事業を対応させていくことが、システム・オペレーション構築に関わってきた私の役割だと考えた。「手段・道具としてのシステム導入だけでは話にならない」「革新的なビジネスモデルも検討する」「会社内での位置づけ、自社で構築する意味は?」、パートナーからのアドバイス、チームメンバーとのミーティングを通じて、深く掘り下げて考えさせられた。最終的に現状の課解解決と将来へ向けての対応、そして自社だけではなく、業界・地域企業へのフィードバックも考えたプランとしてまとめることができた。パートナー、チームメンバー、事務局の方々には本当に感謝しております。 現在プラン実現に向けて社内での取り組みを始めており、長期間の取り組みになり、実行過程において様々な困難にぶつかると思う。自身の軸・価値観をぶれさせることなく、周囲を巻き込み、実現していきたい。 
メンタ―
川原 武浩(株式会社ふくや)
取締役統括部長
 
自らも1期生として学び、現在はメンターとして受講生に関わっている。 平山さんのプロジェクトは、ドラフトプランの時点ではともすれば社内のITシステム更新といった程度で終わってしまうような課題だった。正直どこか物足りなさを感じていたが、モジュールを経るごとに成長し、獲得した新たな視座とぶれない基軸でテーマの深掘りができていったように思う。ファイナルプランに於いては自社だけに留まらない広い視野で通信販売業界や地域に対して貢献・還元していくテーマにまで拡大することができた。今後は描いたプランの実現に向けて、社内外を含めた周囲を巻き込み動かすという最大の課題が待ち受けている。社内でも長年棚上げされていた重たいテーマであり、解決は簡単ではないが、KAILでの学びを活かし乗り越えていってくれるものと思う。 このような成長ができたのも、KAILに関わる皆様のおかげと心より感謝しております。  
9期生 
林 宏治(学校法人 麻生塾)
教務本部 教務本部長
 
学校法人麻生塾は福岡県下に12校78学科を有している。その一つである麻生ビューティ・カレ ッジ(ABC)は、美容師カリスマブームの終焉後、市場規模が急激に縮小した。教育力を高める ことが私の使命と考え、国家試験合格率を全国No.1にすることをテーマに選定した。しかし、 担当パートナーからは「教務本部長の立場としての考えを超えることが必要。全体を通して見 る事で問題の本質に気付く」とアドバイスを頂いた。そこで、ABCを事業として見ることが重要と 考え、「ABC事業の戦略再構築と事業改革」をテーマとして再定義した。こうしてスタートした プロジェクトは、最終的に「現状分析」、「事業ポテンシャルと競争メカニズムの解明」、「拡大要 件と必要な施策」としてまとめた。パートナーからの「問題の真因を事実に基づいて焙り出す」、 「自分で考え、疑問点を明らかにし、結論を絞り出す」などの言葉は、自分自身を大きく成長させ た。また、このプロジェクトを通じてセッションでの学びを一つに繋げることができた。最後まで 様々な観点から多くの気付きを与えて頂いたパートナー、チームメンバー、事務局の方に心より 感謝している。ありがとうございました。
メンタ―
福澤 仁志(学校法人 麻生塾)
常務理事
 
今回の教務本部長のKAILプロジェクトへの参加は、担当部門としての成果を出す視点から、 経営陣の一員としての視点とする事で、新たな問題意識や課題を捉えることができている。一 つの事業として捉える事で市場の構造、顧客ニーズ、コンペティターの動きを認知でき、本校の 課題が明確になった中での新たな施策の必要性も抽出できたものだった。その中で事業ポテン シャルの把握を行い、成功パターンを訴求する事で従来の職務のあり方に活用する事ができて おり、この捉え方は、今回のみに関わらず日常的に実践する事で直接的効果だけに留まらない 多面性のある施策を考える力がさらに強くなるに違いない。これからは、この経験を実践してい く中で職場やその下で活躍する多くのエネルギッシュな教職員にも良い影響を与える事になり、 人材育成にも繋がる事を期待している。 なお、今回お世話になったパートナーをはじめ関係者の皆さんには心から感謝申し上げたい。 有難うございました。
 
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